生活で気をつけることは?
日常生活では、再発のリスクになることをできるだけ避けて、 再発予防に努めましょう
NMOSDは免疫系の異常が関連していると考えられており、免疫にかかわる環境変化には特に注意が必要です。ここでは、日常生活において注意が必要なことを解説します。
からだの疲れや精神的ストレスをためない
NMOSD患者さんにとって、からだの疲れや精神的ストレスは大敵です。
疲れがたまらないよう、適度に休息をとりましょう。
精神面では、日ごろからストレスをためないよう、息抜きの方法を用意しておくとよいでしょう。
感染症に注意
NMOSDの発症と感染症の関連が一部報告されています。また、治療によって、感染症にかかりやすい状態になっている場合がありますので、日ごろから、基本的な感染症予防対策を行いましょう。
また、感染症対策として、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス、肺炎球菌などのワクチン接種がありますが、まれにワクチン接種によって再発が起きる場合もあります。接種を受ける際は、担当医師に相談してください。
日本神経学会監修.
温度に注意
しびれや痛みなどの感覚障害によって熱さがわかりにくくなっている場合があります。やけどをしないよう注意してください。
また、NMOSD患者さんは、体温の上昇にともなって「ウートフ現象」があらわれることがあります。ウートフ現象は、どのような状況下で起きるかは患者さんによって異なりますが、次のような場合があります。
- 環境
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屋外(夏)、暖房が効きすぎて暑い部屋(冬)、熱すぎる入浴温度、熱のこもった浴室や調理中のキッチン など
- 動作
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過度の運動、長時間の入浴、熱い食べ物を食べる など
- 体調の変化
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発熱、感染症、月経前 など
日本神経学会監修.
体力の維持と休息
痛みやしびれ、脱力のために、からだをあまり動かさないようにしていると、筋力や体力が落ちてしまいます。それにより、新たな障害につながることもあるため、基礎体力や筋力を維持しましょう。
まずは、運動は軽いストレッチなどからはじめて、ご自身にとって心地よい程度の運動を取り入れてみましょう。ステロイド使用時は骨折リスクがあります。トレーニングマシンの使用は太ももや膝に負担がかかるため、気をつけましょう。
運動する時は、がんばりすぎないように、また、体温が上がりすぎないように気をつけ、適度に休憩を取りましょう。NMOSDは日によって症状が大きく変わりますので、体調の悪い時は無理をせずしっかり休む、ということも大切です。
日本神経学会監修.
排尿障害・排便障害への工夫
NMOSD患者さんによくみられる症状のひとつに排尿障害、排便障害があります。市販の専用下着やパッドなどを活用したり、病院で処方されるお薬での治療・改善も可能ですので、医師に相談してみてください。
前よりも症状が重くなっているような場合は、NMOSDの再発の可能性もあります。恥ずかしがらずに担当医師やメディカルスタッフに相談してください。
好きなことを楽しもう
NMOSDの再発を防ぐために、日常生活で注意しなければならないことはたくさんあると思います。しかし、からだやこころが弱ってしまうほど過度に避けるのではなく、無理をしないよう適度に休憩を取りながら、好きなことや趣味を楽しみましょう。たとえば旅行であれば、疲れがたまらないよう休憩をこまめに取り、ゆとりをもったスケジュールを立てて観光地を回るなどの工夫をしてみましょう。
NMOSDを理解し、適切な治療を受けながら、上手に付き合っていくことが大切です。
NMOSD DIARYを活用しましょう
症状や体調の変化を記録したり、言葉では伝えづらいこと、言い忘れてしまいそうなことを書き留めて、担当医師に知らせるメモとして活用しましょう。
※NMOSD DIARYをご用意しております。