NMOSDの発症メカニズム
NMOSDは血清中の抗アクアポリン4抗体(抗AQP4抗体)という自己に反応する抗体が関与する自己免疫疾患です。多くのNMOSD患者さんの血液の中に抗AQP4抗体があることがわかっています(抗AQP4抗体陽性)が、抗AQP4抗体がないNMOSD患者さんもいます(抗AQP4抗体陰性)。
視神経や脊髄、脳などの中枢神経に存在する神経細胞は、アストロサイトという細胞に支えられています。アストロサイトの足突起にはアクアポリン4(AQP4)とよばれる細胞への水の通り道となるタンパク質が豊富にあります。NMOSD患者さんの身体の中でつくりだされた抗AQP4抗体がAQP4にくっつくことで補体が攻撃的になります。これにより、アストロサイトが破壊され、その後、神経細胞や髄鞘(ずいしょう)も破壊されることで症状を引き起こします。